焦り本能を抑えて考えよう

 焦りから、すぐに何とかしようと思ってしまう

 ある村で、原因不明の病気にかかった者がいた。

 医師が、

 「これは感染症かもしれない!」

 と言うと、その村の近辺にある都市の市長は、こう判断した。

 「感染症ならば、その村からの道を封鎖しないといけない!」

 

 

 翌日、その村から作物を売るために都市に向かおうとしていた20名ほどの村民は、都市に向かうバスが来ないことを知ると、別の道を歩くことにしたそうだ。

歩いている様子を見たある漁師が、

「漁船に乗せてあげるよ。」

と伝えたところ、村民はすぐさま乗り込む。ボロボロの漁船に。

 

漁船は波にさらわれ、漁師も村民も溺れてしまった。

肝心の病気はというと、キャッサバという食物を原因とするもので感染症ではなかったそうだ。 

 

学級経営の中でも、「すぐに何とかしよう」って思ってしまいませんか?

小学校の教師として12年間、様々な学年の担任をさせてもらいました。

持ち上がりがあるかないか分からないので、基本的には一年勝負です。

昔は、「この一年間に子どもを成長させなくては!!」という思いから、わけのわからない焦りを感じ、日々小さなことにも口を出していました。

 

整列の仕方だったり、授業の準備だったり、発言の仕方、声の大きさ、掃除のやり方…

 

挙げ出すとキリがない(笑)

一年間でしっかり育てないと…。

そんなわけのわからない焦りでいっぱいでした。

 

すると心にゆとりがなくなるんです。

ちょっとのことで、

「ほら!ちゃんとできていない!」

というような、そんな対応になってしまうんです。

 

子育てでも見られませんか?

教員の方ではなくても、「早くできるようになってほしい!」なんて焦り、ありませんか?特に、他の家庭のお子さんの成長を目の当たりにしたり、育児書を読んだときなんかは…

 

「あれ、あの子、もう上手に座ってご飯食べることができてるわ。うちの子全然できないのに…」

「えっ、この歳でこんなに話せるようになっちゃうの?こんな関わり方あったなんて!」

 

焦り本能は、こんなふうに顔を出します。その焦り本能を抑えないと子どもに向けてかける言葉は、以前の僕が教室で子どもに向かってかけるような言葉になってしまうでしょう。

 

 

 

 最近、我が家の長男はトイレに行くことができるようになってきました。でも一ヶ月前は、全然できませんでした。

 

 一か月前、長男と同い年の子がトイレに行けるようになっていることを知ったとき、「あれ、大丈夫かな。」と焦りました。

 知り合いの子や、育児書の良い例と比べた時に、ふと顔を出す「焦り」。

 でもその焦りによって、冷静な判断ができなくなると悲しい思いをするのは子どもなんですよね。 

 

 焦りの気持ちはグッと抑えて、今の姿を受け止め、勇気づけてあげると、いつのまにか子どもは育っていくよ。

 みなさんなら、どのように勇気づけますか?

 

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